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2004.10.19 キラニーの思い出 1
カーマイケルの世界にひたった日々

 ディリー・コラムにも少し書きましたが、9月末から10月の始めにかけて、私はカナダ東部を旅しました。ほとんどはもう何度も行った場所でしたが、一箇所だけ初めてのところがありました。ジョージアン・ベイに面したキラニー村です。ジョージアン・ベイは「グループ・オブ・セブン」と呼ばれる、カナダの代表的画家たちが好んで題材にしたエリア。中でもフランクリン・カーマイケルが愛したのが、このキラニー村の周辺です。夏になると避暑地としてにぎわうところだそうですが、秋の静かな雰囲気もとても素敵でした。この時の思い出を少しくわしくお話ししたくなったので、しばらく連載でおとどけします。

ジョージアン・ベイは五大湖のひとつヒューロン湖の一部です。
ジョージアン・ベイは五大湖のひとつヒューロン湖の一部です。
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2004.10.21 キラニーの思い出 2
キャビン風にのホテルに泊まる

 トロントなどオンタリオ州の都会に住む人々はムスコカ地方やジョージアン・ベイの周辺などに別荘を持つのが夢だそうです。別荘といっても大げさな建物ではなく、小さな山小屋風のキャビン。子供のときに、夏休みをそんなキャビンで過ごした思い出を楽しそうに語る人がたくさんいます。キラニーで私が泊まったのも、クラシカルなキャビン風の建物が点在するリゾート。けして贅沢ではありませんが、自然に親しんでくつろぐにはぴったりの雰囲気でした。このリゾートでは、ハイキングやカヌーなどのアクティビティのプログラムが豊富に用意されていますが、何もしないで水辺で読書というのも良さそうです。

Killarney Mountain Lodgeの情報はwww.killarney.com で。

Killarney Mountain Lodge
Killarney Mountain Lodge
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2004.10.23 キラニーの思い出 3
ムスコカ・チェアーでボンヤリ過ごす

 私が滞在したホテルは湖岸に沿って広がっています。水辺は岩場になっていて、そこここに椅子が置かれていました。この座り心地の良い木の椅子は「ムスコカ・チェアー」と呼ばれているそうです。ムスコカはオンタリオ州の代表的な避暑地の一つ。森林地帯の中に湖や池が点在しているところです。森の木々を眺めたり、湖を渡る風を楽しんだりするのに、いかにもこの椅子はいいですね。背中を支える角度とか、すっぽり体を包んでくれる大きさとか、肘掛の幅もなんどもいえない心地良さです。朝日が当たるころにコーヒーを持って座るのもいいし、夕暮れにワインクーラーなど、ちょっとアルコールの入った甘い飲み物を飲みながら・・・というのもおすすめです。

カナダ東部の避暑地に欠かせないのがこの椅子
カナダ東部の避暑地に欠かせないのがこの椅子
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2004.10.25 キラニーの思い出 4
キライー州立公園でハイキング

 キラニー村の北に広がっているのがキラニー州立公園です。オンタリオ州南西部の大部分の土地はカナディアン・シールドと呼ばれる岩盤で覆われています。氷河が膨大なパワーで大地を削り取りながら移動していった跡に、前カンブリア紀の岩盤が露出しています。たくさんの湖や池が残されているのも、氷河の活動の跡なのです。キラニー州立公園には、この岩盤をたどるハイキング・コースがいくつもあります。特に有名なのは「ザ・クラック」と呼ばれる巨大な岩石の亀裂ですが、そこまでは一日がかりの本格的ハイキングが必要だそうです。私たちは、一周1時間半ほどの散策コースに出かけることにしました。

Chikanishing Trailは3キロほどの周遊ルート
Chikanishing Trailは3キロほどの周遊ルート
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2004.11.02 キラニーの思い出 5
岩に描かれた標識

 私たちが歩き始めたトレイルは、淡い紅色の花崗岩の岩場をつたっていきます。氷河が削り取った跡ですから、表面はツルツルしていて、独特の柔らかなカーブを描く岩が続いています。ときおり、そんな岩にしがみつくように潅木が生えていて、それが鮮やかに紅葉しているのも心に強く残る美しさでした。トレイルの標識は岩に直接描かれた赤い矢印。矢印というにはあまりにも丸みを帯びていて、ダルマさんのような形です。岩場は滑りやすいので、矢印を探しながら、ときおり足元を見るのが歩き方のコツのようです。

写真の中央に見える赤い円がトレイルの標識です。写真の中央に見える赤い円がトレイルの標識です。
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2004.11.02 キラニーの思い出 6
グループ・オブ・セブンの気分

 トレイルの折り返し地点は湖を見渡す岩場です。目の前には小さな島々が見えます。島にはホワイトパインと呼ばれる松の木が生えていて、なんだか日本の風景のようでした。ハイキングのガイドさんが、「さあ、ここでちょっとアートしてみましょう!」と言い出しました。小さな紙と簡単な水彩絵の具を渡されて、みんな思い思いに描き始めます。最初は乗り気でなかった人も、すぐに夢中になりました。なんだか筆を動かすうちに心まですっかりリラックスしてきました。

青い空と湖、松の緑とピンクの岩・・・水彩にぴったりの風景でした。
青い空と湖、松の緑とピンクの岩・・・水彩にぴったりの風景でした。
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2004.11.04 キラニーの思い出 7
新グループ・オブ・セブン誕生?!

 ジョージアン・ベイの風景を水彩で描いてみました。ハイキングの途中で、こんな素敵な休憩時間を過ごすのは初めて。「グループ・オブ・セブン」の画家たちに愛された土地らしいなと思いました。描いた絵を岩場に並べて即席の展覧会。同じ景色を眺めて描いたのにみんな雰囲気が違うのがおもしろいですね。ハイキングのメンバーはちょうど7人でしたから、「新グループ・オブ・セブンの誕生という感じね。」と言い合って笑ったのも良い思い出になりました。

別の紙で枠をつけると、本当に味のある絵になりました。別の紙で枠をつけると、本当に味のある絵になりました。
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2004.11.05 キラニーの思い出 8
ヨットに揺られながら至福のお昼寝

 ランチの後はヨットで湖に出ました。風は少し冷たいけれど、柔らかな日差しが降りそそいで、秋らしい良い天気です。ゆっくりとキラニー村の港を出て、キラニー・ベイで帆を揚げます。エンジンの音がやむとヨットの心地よい揺れが体に感じられます。風に包まれるように船が進むと、それを軽く押し返すような水の抵抗が小さな揺れを生むようです。 目をつぶってお日様の方に顔を向け、光をたっぷり浴びていたら眠くなってしまいました。とってもぜいたくなお昼寝でした。


ヨットで小さな島や入り江を次々と眺めていきました。ヨットで小さな島や入り江を次々と眺めていきました。
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2004.11.08 キラニーの思い出 9
朝もやの湖畔を散歩しました

 キラニー村で休暇を過ごすなら、一週間はのんびりしたいものです。残念ながら、この旅行では2泊しかできませんでした。朝の散歩も二回だけ。でも、両日ともに朝日が昇ったばかりのときに湖畔を歩きました。湖面はうっすらと朝もやに包まれています。昇ったばかりのお日様の光は新鮮で力強く、それに照らしだされてさまざまなものがキラキラと輝いて見えました。一番美しかったのは、昨日乗せてもらったヨット。マストの上の空には白いお月様が見えました。

キラニー村はカヌーやヨットの好きな人にも人気の場所です。 キラニー村はカヌーやヨットの好きな人にも人気の場所です。
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2004.11.09 キラニーの思い出 10
ライトハウス・トレイルを歩く

 キラニー村を離れる前に、村はずれにある灯台を見に行きました。村から灯台までは、ライトハウス・トレイルという軽いハイキング・ルートが作られています。この村に灯台が初めて建てられたのは1866年のことです。それ以来、この灯台は村の人々によって守られてきました。灯台守の当番の村人が毎晩、船で灯をともしに出かけたそうです。1980年代に灯台は自動化され、今はだれも灯台のお守りをする人がいないので、少しさみしそうでした。私もキラニーを離れるのが少し悲しい気持ちになりました。

ジョージアン・ベイ周辺にはたくさんの小さな灯台がありますジョージアン・ベイ周辺にはたくさんの小さな灯台があります
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